感情の爆発

劇団や演劇教室などで

「はい、笑って~」「ドワッハッハッハ」
「はい、泣いて~」「え~~ん、え~~ん」

というトレーニングをやる事があります。

全てのトレーニングに共通して言える事なのですが「何の為にそのトレーニングをするのか」を意識しながら練習する人と「先生に言われたから」で練習する人とでは、同じ練習を同じ時間してもその効果に大きな差が出ます。

このトレーニングの目的は、演技として使える感情表現の幅を広げる事にあります。
プロの役者が持つ表現の幅を1~10とした場合、演劇初心者の表現の幅は狭い人で1~3、広い人で1~5位でしょうか。
何の訓練もせずに最初から1~10の幅を持っている人はほとんどいないと思います。

感情表現の幅を広げる事を目的としたトレーニングですので、このトレーニングをした事によって演技のバランスが崩れ、一時的に演技が下手になる(ように見える)事がありますが、それは高い次元の演技力を身につける為に必要なプロセスなのです。
逆に言えば、そこそこ程度の実力が身につけばいいと考えている人にはこのトレーニングは必要ありません。

また、目的をきちんと理解せずにこのトレーニングをした場合の弊害として、台本のト書きに「笑う」と書いてあったら、無条件でワンパターンの笑いをするようなクセがついてしまう、というものもありますので注意しましょう。