月世界旅行
活弁という サイレント映画に語りをつける芸能があり、自分は《ひとりで練習・発表が出来る演劇的な趣味》として2008年頃にこれを始めました。
最近だと2022年9月25日に『月世界旅行』というサイレント映画業界では超有名な作品を演じさせて頂き、この時に『月世界旅行』について色々調べました。
『月世界旅行』という邦題で呼ばれる作品が全部で3つあるんですが、それぞれの作品が違う角度からSFというジャンルを開拓しているのが個人的には興味深かったです。
ジュール・ヴェルヌの月世界旅行(小説)はサイエンス(科学)の色が強く、「作品が書かれた時点の科学では実現不可能だが、未来の科学では実現可能な事」をフィクションとして描いていおり、この小説が原動力となって現実世界の月面着陸が実現したそうです。凄い!
H・G・ウェルズの月世界旅行(小説)はファンタジー(空想)の色が強く、「現実には存在しない超科学と超常現象」をフィクションとして描いています。
スターウォーズとか、ガンダムとかのご先祖様ですね。
そして、SFX(特殊撮影)の創始者であるジョルジュ・メリエスの月世界旅行(映画)は特撮ありきで作品が作られれているのが大きな特徴です。
立ち位置としては、ウルトラマンやゴジラのご先祖様といった感じでしょうか。
ストーリーはあって無いようなもので、天体望遠鏡が椅子に変身する、とか、ストーリーの進行に全然関係無い演出がたくさん有り、それをどうやって活弁で表現するか、でかなり悩みました^^;
メリエスの月世界旅行は弾丸型のロケットが月に刺さるシーンが有名なんですが、このシーンはカメラを動かすのではなく、被写体の方を動かす手法で撮影されたそうです。
『ザ・フライ』の天井を歩くシーンは部屋の方を動かして撮影したそうですが、そういう撮影方法の原点があのシーンだと思うと感慨深いものがありますね。