発声
素人と玄人の発声の違いは、お寺の鐘をイメージすると分かりやすいと思います。
素人の発声は「鐘を手で押さえた状態でゴン、ゴンと叩く音」で、玄人の発声は「鐘から手を離した状態でゴ~~~ンと響かせる音」です。
そして、素人は腕力を鍛えて大きな音を出そうとします。
「腕力を鍛えれば大きな音が出る」というのは理屈として間違っていないのですが、このやり方には
①支払う労力に対して得られる効果が少ない
②鍛えれば鍛えるほど体を痛めやすくなる
③結果として得られる大きな音は人を不快にさせる
…といった3つの大きなデメリットがあります。
最初の内はとにかく脱力が大事なんですが、発声においても、体に力が入った状態(鐘を手で押さえた状態)を意識的に脱力した状態(鐘から手を離した状態)に変えられるようになると、「ゴ~~~~~ン」とよく響く心地よい音を小さな力でいつでも出せるようになるのです。
これが出来る役者と出来ない役者とでは、一般の人が一目で見て分かるレベルの実力差が出るでしょう。